SAPロジ回り機能まとめ

SIerに2019年新卒入社。以降SAPロジモジュールに触れています。SAP S/4HANA SD/MM、SAP IBP等

価格決定について [Pricing]

価格決定について [Pricing]

価格決定とは

価格決定は、SAPでの商品価格の自動決定について扱います。

 

例えば、あるメンバーシップに加入しているお客さんが商品Aを購入する際に10%の割引が発生する場合、US国内での様々な州で購買取引が行われる場合(USでは州によって税制が異なる)、スケールでの取引(多く買えば買うほど割引が効く)が存在する場合など。

 

このような販売体制上のプロモーションシステムや税金対応は個別企業・企業が位置する国などによって異なります。(流通チャネルによっても変わったりします)

SDコンサルは個別にコンフィギュレーションをしていくみたいですね。それぞれの価格決定メカニズムをCondition Technicと言います。

 

Condition Technic

Condition Techincの7ステップ

1)Field catalog

 価格決定(Pricing)で基本の変数として使用されるであろうフィールドのリストの事です。価格、カスタマーグループ、税、割引、サーチャージなどなど。SAP上で200ほど用意されているのでその中から選んでいきます。

 

2)Condition Table

 Field Catalogで選ばれたフィールドから構成されるデータベースのことです。

例えば、品目やカスタマーグループなど。Condition Tableはセールスシナリオによって異なります。

 

3)Access Sequence

 Condition Tableが呼び出される順序を規定します。

例えば以下の二つのCondition Tableがあり、価格決定の要素が異なるとします。

Condition Table A:カスタマーグループ x 品目

Condition Table B:カスタマーグループ x 品目 x 流通チャネル

この中でどちらを優先するのかを決めなければなりません。

Bの優先度が高く(呼び出される順序が最初)、流通チャネルが与えられていない場合に優先どの低いAが呼び出されます。

 

4)Condition Type

 計算の種類を表します。

ステップ3のAccess Sequenceまででは、必要なパラメータとどの順序で計算するのかを定義しています。

しかし、何を計算するのかは決めていません。

例えば、価格なのか割引なのか。割引の場合は絶対量での割引か割合(%

)での割引なのか。価格であれば、量での算出か単位時間での算出か。

 

5)Pricing Procedure

 複数のCondition Typeの集合で、最終的な価格を計算するための公式のようなものです。

例えば、Price→Discount→Taxのような順番で計算されます。

 

6)Pricing Procedure Determination

 受注伝票にてOrder TypeとCustomer、Materialを入力すれば自動的に価格が出てきます。この価格はSales Area x Document Pricing Procedure x Customer Pricing Procedureの組み合わせによって決まります。

 

国だったり、ビジネスプロセス(Standard OrderやRuch Order)、さらには顧客(一般企業や政府関連)によって価格の算出方法が違うためです。

 

7)Condition Record 

 コンフィギュレーションではなく、ユーザーが行うステップです。

ステップ6まで具体的な数値(10%の割引など)を扱いませんでした。いわば土台作りをしていました。