SAP-SDにおける組織構造 [SAP Configuration]
この記事では、SAPにおける組織構造についてまとめています。
組織構造(Enterprise Structure)とは?
・組織構造とは?
いわゆるグローバル企業はそれぞれの国に子会社を置き、その子会社がそれぞれの国でビジネスを行います。
会社ではそれぞれ会計上のプロセス、例えば損益計算書や貸借対照表の管理が行われます。
さらに、会社の下にはプラントや倉庫、セールスオフィスが1つ以上存在します。
このように企業の組織をSAP上で表すものが組織構造と呼ばれています。(Enterprise Structure)
SDモジュールからみる組織構造
このブログでは主にSD、MMなどのロジ系モジュールについて扱いたいと思いますが、それぞれの領域は密接に関わっていることもあり、他領域の企業構造構成要素についても少なからずまとめていきたいと思います。
・組織要素
企業(Company)- 企業(Entity)の下に様々な実態としての企業(Legal Entity)が存在します。これらをSAP上で企業コード(Company Code)と呼びます。企業コードは会計におけるコンフィギュレーションは全てに関係しています。
例)Accenture Japan、Accenture India、Accenture USなど。
- 営業組織(Sales Orgs)
1つ以上の営業組織が各企業コードの下に置かれます。営業組織は営業取引における営業政策を定義します。
それぞれの営業組織では異なる営業政策がなされることが多く、例えば地理によってプライシングを変えることが多いそうです。
また、営業組織はSDモジュールにおける最も大きい組織構成要素です。
この下に2つの主要なサブ組織があり、それが流通チャネル(Disturibution Channel)と部門(Division)です。
-流通チャネル(Disturibution Channel)
HPでの直販や、代理店などの関節販売などの商品が顧客に届くまでの経路のこと。
-部門(Division)
部門はいくつかの共通点を基準にした商品のグループを意味します。
基準は企業によって異なりますが、例えば重工業企業の飛行機関連の売り上げ(飛行機部門)を見たいといった時に便利だそうです。
-セールスエリア(Sales Area)
企業コードと流通チャネル、部門を1つずつ組み合わせたものをセールスエリアと呼びます。
実際に起こりうる組み合わせは全て定義する必要があります。
例)営業組織:花王US x 流通チャネル:Agency x 部門:ティッシュ
-セールスオフィス(Sales Office)
セールスエリアに対して、一つ以上のセールスオフィスが定義されます。
仮想的、もしくは実際に販売が行われる地理的な場所における従業員の集合を意味します。つまり、セールスオフィスの下には従業員A、従業員B、従業員Cのようなセールスグループが組織されています。
*営業組織、流通チャネル、部門の定義は必須です。
MMにおける組織構造
-プラント(Plant)
製品が製造される場所、またはサービスが提供される場所のこと。
企業コード:プラント = 1:Nの関係で紐づいています。
セールス組織と流通チャネルの組み合わせがプラントに割り当てられます。
-倉庫(Storage Location)
プラントの下に一つ以上置かれます。
品目を置く場所で、故障品を置く場所や返品された品目を置く場所などが存在可能です。