出荷伝票タイプについて [Delivery Document Type]
出荷伝票タイプについて [Delivery Document Type]
出荷伝票タイプには販売伝票タイプと同様に、いくつかのタイプがあります。しかし、2つだけ覚えておけば良いそうなので学習者に優しいですね。
- LF:Outbonde delivery
- LR:Inbound(Return) delivery
販売伝票タイプ(Sales Document Type)に明細カテゴリ(Item Category)があったように、出荷伝票タイプ(Delivery Document)にも明細カテゴリーが存在します。TANやTASといった名前は同じなので安心です。
出荷伝票タイプを定義する際に、いくつかのコントロール可能なパラメータがあるので見ていきます。
1:Order Required
販売伝票の参照が求められるかを決めます。通常Xに設定されます。
Outbound DeliveryやInbound Deliveryでは、出荷伝票は販売伝票を参照することが常に求められます。
2:Create Delivery Group
BOMの構成要素をグループ化します。
納入日程カテゴリについて [Schedule Line Category]
納入日程カテゴリについて [Schedule Line Category]
その名のとおり、納入日程予定がどのような振る舞いを持つのかを規定します。(VOV06から設定できます。)
販売伝票(Sales Document)の品目(Line Item)詳細から、納入日程タブを確認できます。
通常のB2Bシナリオでは、顧客は売り手に対していつ商品が届けられるのかを尋ねます。この日付をRequested Delivery Dateと言うのですが(日本語だと納入予定日とかですかね?)、その日付までにオーダーされた商品を希望数量届けられるのか確認しなければなりません。
納入日程タブでは、まずその希望日までにどれだけの商品が届けられるのかを教えてくれます。(Stock Availability)
他にもいくつかのコントロール可能な設定を提供してくれます。
1)Delivery Block
販売伝票のDelivery Blockでは販売伝票にまとめて適用することができました。納入日程カテゴリのDelivery Blockでは伝票にある品目単位でDelivery Blockを適用することが可能です。
2)Purchase Order Type
電話やメールなどのコミュニケーションの種類を表します。
・3rd Party Drop Ship
生産が間に合わないことや在庫の不足などを理由に、受注した商品を顧客に届けられないケースがあります。こういった際には、他のベンダーに依頼して同様の商品を直接顧客に届けてもらうことが多いそうです。
3rd Party Drop Shipにおいて、Item CategoryはTANではなくTASになるそうです。
TASが自動的にSchedule Line CategoryをCSに決定します。CSがPurchase Requisitionを発生させ、MRPもしくは購買部門によって3rd Partyに対するPurchase Order登録するといった手順を踏みます。
その後3rd party(ベンダー)が直接商品を顧客に届けます。
*SAPシステムにおいて考えてみると受注伝票(OR)の登録→請求書の発行と、出荷のプロセスがスキップされます。
3)Availability
Availabilityとは、商品が出荷可能かどうかを確認するためのプロセスです。(サービスではAvailabilityは関係ありません)
Schedule Line CategoryにおいてこのAvailabilityをチェックするかしないかをコントロールできます。
明細カテゴリについて [Item Category]
明細カテゴリについて [Item Category]
トランザクションコードVA01を使用して受注伝票を登録する際に、明細カテゴリというカラムが目に入ります。
この明細カテゴリによって、入力した品目の細かい設定がコントロールされるのですが、品目を入力すると自動的にTANやTANN、そのほかの文字が入力された状態になります。
これはConfigurationで事前に定義しておくことで動きを規定できるものです。
作業的にはSPRO->Sales and Distribution->Sales->Sales Document->Sales Document Item->Item Category Assignmentにて定義していきます。
ここで、[sales document type x Item Category Group x Higher level Item Category x Usage]によってどの品目カテゴリを品目に当てはめるのかが決められるのです。
*この作業をItem Category Determinationと言います。
また、販売伝票タイプと同様に、明細カテゴリによってコントロール可能なパラメータも多数存在します。
例えば、、、
Billing Relevance:特定の商品の請求に関連し、請求に関係ある場合はチェックします。商品が請求に関係なければ空白にします。
Pricing Relevance:価格のつけ方も異なります。完成品に価格をつけるか、構成品のそれぞれに価格をつけるのか。
Delivery Relevant:明細カテゴリでのdelivery relevantでは伝票ではなく、品目レベルで品目が出荷に関連があるかを判断します。
他にほ沢山のパラメーターがある訳ですが、それなりにボリュームもあるのでまとめるのはまたの機会にさせていただきます。
販売伝票タイプの基礎知識 [Document Types]
ビジネスプロセス(Business Process)について
SDモジュールでは、様々な企業の販売プロセスに合うようにSAPを設定します。
SDに割り当てられた方が一番初めに学習するプロセスは下のようなものだと思います。
・引合(Inquiry)→ 見積(Quotation)→ 受注(Order)→ 出荷(delivery)→ 請求(Invoicing)
このように、SDでは商品を売り上げて代金を回収するまでのプロセスを扱います。
他にも委託販売(Consignment Sales)といった、企業間で契約を結び使用量に応じて代金を請求する販売形態もあります。
伝票タイプについて (Document Types)
上記のビジネスプロセスはSAP上で3つのプロセスに分類されるそうです。
1:Sales(inquiry、Quotation、Order、Consignment、Contract etc.)
2:Delivery(Expedited、Returns etc.)
3:Invoicing(Standard invocing、Devid Memo、Correction etc.)
そしてそれぞれでSales Category、Delivery Category、Biling Categoryという分類が存在します。
販売伝票タイプ(Sales Document Type)はプロセスのそれぞれの分類における、テンプレートとなる型を意味します。
なので、イメージとしては販売伝票タイプはsales、deliverly、invoicingのどれかに分類された上で、カスタマイズされる感じです。
ちなみにこれらはT-Code-> SPROから設定できます。
販売伝票タイプについて (Sales Document Type)
販売伝票タイプでは、Number systems、Central Control、Transaction Flow、Schedule Agreemen、などがテンプレートとして設定できます。
中でも販売伝票カテゴリ(SD Document Category)では、SAPで事前に定義されているカテゴリの中から、そのテンプレートがどこに当てはまるかを決めるため非常に重要だそうです。
カテゴリは事前に定義されているものなので、新しいカテゴリ(プロセス)を作成しなければならない時は、可能な限り似ているカテゴリをコピーして作成します
(例えば、Quotaionをコピーして自身の販売伝票タイプを作成します。)
ちなみにカテゴリをコピーした後に販売伝票タイプに別の名前を与えるわけですが、ZもしくはYから始まる4文字のアルファベットが求められます。
これはSAPが絶えずFunctionを提供し続けていて、今後そのFunctionと名前が被ると厄介な訳だからです。
販売伝票タイプのコンフィギュレーションについて少し
-Number Range
販売伝票タイプが持てる番号の範囲を定義できます。
例えば引合(inquiry)を登録した際に、自動的にSAP画面の左下に引合伝票番号が表示されます。
その番号の範囲を定義できます。
*1:*英語での説明はこのようになっています。
Document type represents a template. That's used to characterize how a business process of a particular category behaves.
SAP-SDにおける組織構造 [SAP Configuration]
この記事では、SAPにおける組織構造についてまとめています。
組織構造(Enterprise Structure)とは?
・組織構造とは?
いわゆるグローバル企業はそれぞれの国に子会社を置き、その子会社がそれぞれの国でビジネスを行います。
会社ではそれぞれ会計上のプロセス、例えば損益計算書や貸借対照表の管理が行われます。
さらに、会社の下にはプラントや倉庫、セールスオフィスが1つ以上存在します。
このように企業の組織をSAP上で表すものが組織構造と呼ばれています。(Enterprise Structure)
SDモジュールからみる組織構造
このブログでは主にSD、MMなどのロジ系モジュールについて扱いたいと思いますが、それぞれの領域は密接に関わっていることもあり、他領域の企業構造構成要素についても少なからずまとめていきたいと思います。
・組織要素
企業(Company)- 企業(Entity)の下に様々な実態としての企業(Legal Entity)が存在します。これらをSAP上で企業コード(Company Code)と呼びます。企業コードは会計におけるコンフィギュレーションは全てに関係しています。
例)Accenture Japan、Accenture India、Accenture USなど。
- 営業組織(Sales Orgs)
1つ以上の営業組織が各企業コードの下に置かれます。営業組織は営業取引における営業政策を定義します。
それぞれの営業組織では異なる営業政策がなされることが多く、例えば地理によってプライシングを変えることが多いそうです。
また、営業組織はSDモジュールにおける最も大きい組織構成要素です。
この下に2つの主要なサブ組織があり、それが流通チャネル(Disturibution Channel)と部門(Division)です。
-流通チャネル(Disturibution Channel)
HPでの直販や、代理店などの関節販売などの商品が顧客に届くまでの経路のこと。
-部門(Division)
部門はいくつかの共通点を基準にした商品のグループを意味します。
基準は企業によって異なりますが、例えば重工業企業の飛行機関連の売り上げ(飛行機部門)を見たいといった時に便利だそうです。
-セールスエリア(Sales Area)
企業コードと流通チャネル、部門を1つずつ組み合わせたものをセールスエリアと呼びます。
実際に起こりうる組み合わせは全て定義する必要があります。
例)営業組織:花王US x 流通チャネル:Agency x 部門:ティッシュ
-セールスオフィス(Sales Office)
セールスエリアに対して、一つ以上のセールスオフィスが定義されます。
仮想的、もしくは実際に販売が行われる地理的な場所における従業員の集合を意味します。つまり、セールスオフィスの下には従業員A、従業員B、従業員Cのようなセールスグループが組織されています。
*営業組織、流通チャネル、部門の定義は必須です。
MMにおける組織構造
-プラント(Plant)
製品が製造される場所、またはサービスが提供される場所のこと。
企業コード:プラント = 1:Nの関係で紐づいています。
セールス組織と流通チャネルの組み合わせがプラントに割り当てられます。
-倉庫(Storage Location)
プラントの下に一つ以上置かれます。
品目を置く場所で、故障品を置く場所や返品された品目を置く場所などが存在可能です。